今中さんの「身近にみられる野鳥図鑑」
昨年10月ごろ、大都会のど真ん中に、世界でも1000羽もいないとされる絶滅危惧Ⅱ類のミゾゴイが
現れた!驚くことに梅田スカイビル北側の小さな公園に人を恐れることもなく、
あたかもイタリアンレストランでパスタを食べるがごとく好物のミミズを食べていた。
ミゾゴイの名前の由来は、沢や溝にいるゴイサギに似た鳥ということで「溝五位」。
ミゾゴイは夏鳥として本州から九州の平地や低山の樹林で繁殖する数少ない鳥です。
しかも日本でしか繁殖していない鳥です。
学名にゴルサキウス・ゴイサギとついています。
これはシーボルトが採集した標本をもとに1835年に記載されました。
「ゴイサギ」という名称は、今では特定の一種の名前として定着していますが、
昔はササゴイやヨシゴイ、ミゾゴイなど近縁を含む総称として使われていたようです。
ミゾゴイ (溝五位) 英 Japanese Night Heron 学 Gorsachius goisagi
- ■ 形態 : 全長 49㎝
- ■ 分類 : コウノトリ目 サギ科
- ■ 体色 : 上面が赤褐色、下面は淡黄褐色で、黒褐色の縦班がある、黒くて短めの嘴
- ■ 鳴き声 : 繁殖期にはボォーッ、ボォーッと鳴く
ゴイサギ (五位鷺) 英 Black-crowned Night Heron 学 Nycticorax nycticorax
- ■ 形態 : 全長 31~38cm
- ■ 分類 : コウノトリ目 サギ科
- ■ 体色 : 体下面・顔・頸は白く、翼は全面灰色、黒い嘴、黄色い足
- ■ 鳴き声 : ゴァ または クヮッ
ヨシゴイ (葭五位) 英 Yellow Bittern 学 Lxobrychus sinensis
- ■ 形態 : 全長 31~38cm
- ■ 分類 : コウノトリ目 サギ科
- ■ 体色 : 頭上は黒く、頸の後ろ側は黄褐色
名前はヨシがはえているところによく棲んでいるゴイサギということから。
頸を伸ばしてヨシに擬態する。
撮影+解説者紹介:
今中 啓一(いまなか けいいち) ・・ FIO会員
少年期、京都東山での様々な小鳥との出会いがきっかけで「鳥大好き人間」となる。以来、現在も日本野鳥の会などにその身をおき、「鳥見」に勤しむ日々が続く。「野鳥を通して野山など多くの自然に親しんでもらえれば・・」との想いで、各地で森林インストラクター活動中。