今中さんの「身近にみられる野鳥図鑑」
蟻 吸
地中や樹幹の奥などに潜む獲物、主にアリ類や小昆虫を長い舌で舐め捕って食べることから
「蟻吸(アリスイ)」と名付けられました。冬鳥として近畿地方にもやって来ます。
平城宮跡公園に毎年その姿を見せ、バーダーを楽しませています。
キツツキ科の鳥ですが樹に垂直にとまることはあまりなく、
他の鳥と同様、横枝にとまる姿が多く見られます。
英名にあるWryは鼻、首などが「ねじれている」の意味で、
敵に襲われた時などにクネクネとひねり、
体の模様とあわせ、まるでマムシがうごめくような特徴的なしぐさをします。
アリスイ 英 Wryneck 学 Jynx toryuilla
- ■ 形態 17~18cm モズより小さい
- ■ 分類 キツツキ目キツツキ科
- ■ 体色 全体的には褐色だが下面は上面より淡色、細かい縞模様があり
頭上から背中央にかけて黒帯が走る。 - ■ 鳴き声 キィーキィキィキィとモズに似た声で鳴く
ヨーロッパからオホーツク海沿岸、ロシア沿海地方、中国北部、アフリカ北部、ヒマラヤで繁殖し 冬季はアフリカ中部やインドおよびアジアの温帯、熱帯に渡ります。 日本では北海道、青森、岩手県で繁殖し、冬期は本州の中部以西に移動します。
撮影+解説者紹介:
今中 啓一(いまなか けいいち) ・・ FIO会員
少年期、京都東山での様々な小鳥との出会いがきっかけで「鳥大好き人間」となる。以来、現在も日本野鳥の会などにその身をおき、「鳥見」に勤しむ日々が続く。「野鳥を通して野山など多くの自然に親しんでもらえれば・・」との想いで、各地で森林インストラクター活動中。