今中さんの「身近にみられる野鳥図鑑」
冬の京都鴨川の風物詩ユリカモメが今年も渡って来ました。伊勢物語や古今和歌集で在原業平が「 名にし負はば いざ言問はむ 都鳥 わが思う人は ありやなしやと 」と詠んだ歌に出てくる都鳥とはユリカモメのことですが、 ミヤコドリと名のつく鳥も別にいます。
ユリカモメ 英 Black-headed Gull 学 Larus ridibundus
- ■ 形態 37~43㎝
- ■ 分類 チドリ目カモメ科
- ■ 体色 英名の如く夏羽は頭部は褐色味を帯びる黒、冬羽は頭は白く
- 頬に黒班がある。嘴と足が赤い。
- ■ 鳴き声 ギィー、ギィー
日本には冬鳥として主にカムチャツカ半島から渡来します。 京都鴨川には1974年ごろから見られるようになりました。 東京都の鳥に指定されています。
ミヤコドリ 英 Eurasian Oystercatcher 学 Haematopus ostralegus
- ■ 形態 40~47cm
- ■ 分類 チドリ目ミヤコドリ科
- ■ 体色 頭・胸・体上面は黒く、腹から下尾筒は白い。
- 赤くて長い嘴、ピンク色の足。
- ■ 鳴き声 ピッ、ピッ、と2声で鳴く
ヨーロッパ、カムチャツカ半島、東アジア北東部で繁殖し、アフリカ、中東、南アジア、中国南部で越冬。 日本では数の少ない冬鳥として渡来します。 干潟や岩礁海岸、砂浜で長く頑丈な嘴を用い2枚貝などをこじ開け食べます。 他に、巻き貝、カニ、ゴカイ、昆虫なども食べます。 種小名・英名とも「カキを捕る者」とついていますが、 実際にはカキを食べることはまれなようです。
撮影+解説者紹介:
今中 啓一(いまなか けいいち) ・・ FIO会員
少年期、京都東山での様々な小鳥との出会いがきっかけで「鳥大好き人間」となる。以来、現在も日本野鳥の会などにその身をおき、「鳥見」に勤しむ日々が続く。「野鳥を通して野山など多くの自然に親しんでもらえれば・・」との想いで、各地で森林インストラクター活動中。