活動記録(2010年1月~8月)
2010年森林インストラクター養成講座~全8回~
■日時:2010年5月23日(日)~8月28日(土)
■場所:大阪産業創造館(堺筋本町)
■参加人数:受講生51名、講座に関わったFIOスタッフ38名
■主催:大阪森林インストラクター会
■内容:森林インストラクター資格試験を目指す方を対象に、9月上旬に行われる1次試験科目の、①林業、②森林内の野外活動、③森林、④安全および教育、の4科目を全8回で行う養成講座です。2010年のスケジュールは次の通りでした。
なお、2次試験対策も11月上旬に行う予定です。
5/23(日)開講式&ガイダンス
6/13(日)安全および教育
6/26(土)森林①
7/11(日)主に森林・森林内に野外実習を踏まえた野外での実習
7/24(土)森林②&林業①
8/8(日)林業②
8/22(日)森林内の野外活動
8/28(土)模擬演習&総合
※2011年の講座も3月頃から申し込み受付を始め、5月頃開講の予定です。
■報告感想:大阪府内はもちろん近畿一円、さらには岡山、愛知など遠方からも受講生が集まり、今年の暑い夏を、より一層熱いものにしていました。FIOの行う養成講座は、単なる試験対策にとどまらず、森林インストラクターの裾野を広げ、人と人とをつなぐことをもう一つの目的としたものです。その甲斐あってか、今回も多くのみなさんが受験されました。来年には、また新しい森林インストラクターが各地で「森と人、人と人のつなぎ役」として活躍されることでしょう。
木の実を使ったクラフト~長居クラフト・シリーズ第1回~
■日時:2010年8月14日(土)13:30~15:30
■場所:長居公園 花と緑と自然の情報センター 1階体験ラボ室
■参加人数:29名(FIOからスタッフとして8名参加)
■主催:花と緑と自然の情報センター
■内容:子ども達のよろこびそうな木の実のお話と、「これは何だろう?」などを考えながら、
自然の恵みである木の実を使って愉快な『いきもの』を作りました。
■報告感想:シリーズ初回の8月14日は、夏休みのひと時を、家族・友人達でクラフト製作をするという催しで、14家族が参加しました。
名札つくり⇒アイスブレークで自己紹介⇒木の実の紙芝居⇒クラフト注意事項
⇒丸太伐り・クラフト製作⇒みんなで品評会⇒スケッチをして材料学習、
の流れで、あっという間に2時間が過ぎました。
原インストラクター一家による木の実の紙芝居を通じて、より深く自然のことを理解してもらえたと思います。また、夏休みの自由研究課題などを完成させることなども含めて、多目的に活動が展開されました。
作品は、サンプルが恐竜だったのと、周りに恐竜の絵を一杯貼り付けていた影響なのか、それっぽいものが多く見受けられました。
私達インストラクターも、参加されたみなさんとの交流を楽しむことができました。
今後、FIOの定番メニューとして年4回程度実施する予定です。
次回は、11月28日(日)クリスマスリース作りです。(永井 博記)
第5回:FIOフィールド研修会at圓入さん宅
■日時:2010年7月19日(月祝)9:00~16:30
■場所:高槻市萩谷、圓入さん宅及び近隣の山
■天候:晴れ
■参加人数:25名
■内容:第2回座学研修会で「里山と生き物」と題して圓入さんから紹介頂いた萩谷の自然を、今度は直に目と耳と肌で感じる。
・圓入さん自宅周りの自然と植物観察(約300種)
・圓入さん撮影の自宅周辺の植物と動物の生態のビデオ鑑賞
・近隣の東海自然道散策とイノシシのヌタバ見学
・圓入さん作成の電子紙芝居鑑賞
■報告感想:里山である萩谷地区の古い茅葺の家を、昔の趣をそっくり残して、現代風に改築されたすばらしいお家でした。東海自然道が自宅の前を通り、自宅のお庭と畑には実に沢山の種類の木々や草花・野菜が植えられていました。それに名札を付けて下さっていて、頂いたリストを片手に皆が彼方此方で植物談義の輪を作っていました。時期をずらしてやってくる種々のカエルの産卵とふ化の瞬間や、洞から飛び出すフクロウの映像などは感動的でした。圓入さんご夫妻の入念な準備・努力と豊富な知識を通じて萩谷の自然を知った、充実した研修会でした。(森)
箕面小学校・かきの木スポーツクラブ・木工クラフト講座
■日時:2010年7月17日(土)9:30-11:00
■場所:箕面市立箕面小学校 木工室
■参加人数:箕面小学校校区にお住まいの方20名
(小学生:14名、保護者:2名、付き添い:4名)
■担当:FIOからのスタッフおよび箕面小OBなど7名参加
■主催:箕面小学校 & かきの木コミュニティー講座実行委員会
■内容:アイスブレイク、森や木のお話、丸太切り体験、名札づくり
■報告感想:昨年までの「かきの木キッズマナビー」から名称が変わりましたが、内容は全く同じです。これまでに参加してくれたリピーターの子どもたちや保護者の方も含め、クラフト大好き!の仲間がたくさん集まりました。「森や木に関するお話」と「クラフト」を組み合わせた構成が毎回好評です。「丸太切り」を初めて体験された保護者の方もいて楽しそうでした。かわいい子どもたちが作る作品から、その素晴らしい発想に驚かされることばかりです。1学期は1回限りでしたが、2学期は、従来どおり9/11, 11/13, 11/27の3回が予定されています。次の出会いが楽しみです。
■参加者アンケート回答:
(小学生より)
・ つくるのはむずかしかったけど、たのしかったです。
・ すごく楽しかったし、先生たちとも、話しやすかったのでよかった。
・ 楽しかったです。きて良かったです! またやりたいです。
・ いろいろとできて、たのしかったです。
・ オモシロかった。かなり作った。
・ たのしかったよ。
・ すごくたのしかったです。ワッペンとか、いろんなものをつくりました。たのしかったです。またきます。
・ まえにも来たことがあったけど、今日のほうが楽しかったと思います。まえよりも、いい作品が作れたと思うのでよかったです。またやりたい。
・ いろいろとつくれて、たのしかった。
・ 今日は楽しかったです。ありがとうございました。
・ おもしろかった。またやりたい。
・ 今日、1日、たのしかったです。またやりたいです。来てよかったと思います。
(保護者&付き添いより)
・ とても楽しかったです。初めて見る木の実やいろんな形の木の実(特にエビフライ)があるのがわかって、おもしろかったです。
・ なかなか家では、子どもにふれさせられないものばかりで、いい経験になりました。参加して良かったです。
・ 色々な材料を使って、私たちも楽しかったです。先生たちもすごく楽しかったです。またぜひ、参加したくなりました。
・ とても楽しく、子どもたちのアイディアのすばらしさや、頭の柔軟さにびっくりでした。
第4回座学研修会 「化石からたどる植物の進化」 ~胞子から種子へ 裸子から被子へ~
■日時:6月2日(水) 19:00~21:00
■場所:大阪府環境情報プラザ
■参加人数:27名(会員25名、会員外2名)
■内容
講師:塚腰実 氏 (大阪市立自然史博物館 地史研究室 学芸員)
植物は約5億年前に上陸し、繁殖方法を胞子から種子へ、
裸子から被子へ進化させ発展してきました。
その進化について化石記録をもとに紹介します。
植物の進化について考えてみましょう。
現在の植物を見る視点が深まればと思います。(塚腰実)
3月~4月にFIOが行った大恐竜展関連イベント
「恐竜たんけんツアー ~恐竜は何を食っていたか~」
でご指導いただいた塚腰実さんにお越しいただき、
著書「化石がたどる植物の進化」をベースに講演していただきました。
■報告感想
座学研修「化石からたどる植物の進化 胞子から種子へ裸子から被子へ」は、
27名参加という盛況のうちにおわりました。
講師の塚腰さんには、個人的にも忙しいなか、
9枚にものぼる資料を用意していただきました。
裸子植物の「種子」が被子植物の「果実」に進化するためには、
内珠皮と外珠皮ができなければならないという説明に、
少し内容が難しかったこともあり、
すべてすっきり理解できず、申し訳ないような気もしました。
しかし、自然観察会などでも花や「実」については特別に質問が多いですから、
これを機会に、花の進化、植物の進化を勉強することは、
インストラクターのスキルとして重要だと思いました。
(岩下洋一)
国際生物多様性の日記念行事「生物多様性条約COP10がやってくる!」
~コップって何? 私たちもコップに参加しよう!~
■日時:5月22日(土) 16:30-19:35
■場所:難波御堂筋ホール(大阪市中央区難波)
■参加人数:83名 (FIOよりスタッフとして6名参加)
■内容
【講演者】
原野スキマサさん
長野義春さん
礒部裕司さん
奥田青洲さん
【主催】
環境省 近畿地方環境事務所
【後援】
きんき環境館
生物多様性かんさい
大阪森林インストラクター会
大阪みどりのトラスト協会
大阪環境カウンセラー協会
■報告感想
5月22日、生物多様性の日のイベントとして開催された
「生物多様性条約COP10がやってくる」に、FIOは、後援として一緒に協力しました。
83名の参加者を得て、各講演者から会議の焦点と付随イベントの勧誘、
日本として里山イニシアチブについて主導していきたいとの意思表明などが行われました。
保全と開発という相容れない関係をどう調整して未来への基礎を形作るか、
私たち一人ひとりの課題として受け止める必要を感じています。
生物多様性COP10を機会に、Think global Act localをどのように
日常活動に取り入れるか、楽しみながら考えていくよい機会かもしれません。
(永井)
第3回座学研修会~meet the forest~「生物多様性をめぐる最近の動き」
■日時:4月21日(水) 19:00~21:00
■場所:大阪府環境情報プラザ
■参加人数:25名(会員21名、会員外4名)
■内容
環境省近畿地方事務所で生物多様性担当の長瀬温子さんをお迎えし、様々なお話しを伺いました。今年は国際生物多様性年。10月には名古屋でCOP10〈生物多様性条約締約国会議〉が開催され日本は議長ホスト国を努めます。この事業の主流化に努めています。
① 生物多様性とは:地域固有の自然それぞれに、特有の生きものがおり、それぞれがつながっていること
② 3つの多様性:生態系の多様性、種の多様性、遺伝子の多様性
③ 日本の生物多様性の3つの危機:人間活動や開発、働きかけ減少、外来種の増加
④ 生物多様性条約:1993年締結、多様性の保全、持続可能な利用、利益の公平な配分
⑤ 生物多様性国家戦略:現状以上に豊かなものに、社会への浸透、人と自然の関係再構築
⑥ SATOYAMAイニシアティブ:里山の持続可能な資源利用の仕組みを世界共通理念に
⑦ 森林インストラクターへの要望:「いきものみっけ」(観察と報告)。日頃のインストラクター活動の中で指導・普及をお願いしたい。
⑧ 5/22「国際生物多様性の日記念講演会」の開催:大阪森林インストラクター会が後援
■報告感想
生物多様性の解説ビデオの放映や「生物多様性をめぐる最近の動き」パワーポイント資料などをもとにみんなで議論をしました。時間的な制約もあり、十分と踏み込んだ内容には至りませんでしたが、多くの参加者が集まり、関心の高さを感じました。5/22の講演会へのよい橋渡しになったと思います。(菅沼洋)
読売新聞大阪本社「大恐竜展」関連イベント~長居・自然史博物館~
■日時:2010年3月21日(日)、22日(月祝)、4月3日(土)、4日(日)9:30-16:30
■場所:長居・自然史博物館
■天候:晴れ時々曇り
■参加人数:FIOスタッフは4日間のべ64名。FIOイベント参加者数は、「恐竜ツアー」、「恐竜クラフト」ともに、4日間でそれぞれ約500名
■内容:恐竜と森林インストラクター?今回「大恐竜展」の関連イベントとして参加協力し、思いもよらないコラボレーションが実現しました。そのひとつは、「木の実で<恐竜クラフト>つくりを楽しもう!」をテーマに、木の実や枝など自然の恵みの数々で、恐竜たちを生き返らせました。もうひとつは、「恐竜のいた時代の植物を見てみよう~巨大草食恐竜は何を食っていたか~」をテーマに、博物館玄関前にて、1日4回の定時とその他随時に恐竜たんけんツアーを実施しました。
※参考:「大恐竜展~知られざる南半球の支配者~」
◇開催期間:3月20日(土)~5月30日(日)
◇主催:大阪市立自然史博物館&読売新聞大阪本社。
■報告感想:
【恐竜ツアー編】
恐竜の食っていたものは、バナナ、ニンジンそれとも草 No! No!
恐竜の大きさ、頭、歯などを説明した後、園内のイチョウ、ナンヨウスギ、タイサン
ボクなどを見て回りました。巨大草食恐竜の出現を可能にしたのは、大森林の成立。そ
れは繁殖の仕方を胞子から種子に変えることで、乾燥した内陸に進出することができた
から。それでも繁栄を極めた恐竜の時代は、1億6千万年を経て終わりを告げます。恐竜
を衰退に導いたものは。きれいな花の咲く植物の大爆発が関係しているに違いありませ
ん。効率の良い虫による受粉が、裸子植物を追いやり、巨大草食恐竜の生存を脅かした
のでしょう。では、恐竜の終わりの時代に出現し、きれいな花の咲く植物を食べていた
はずのトリケラトプスはなぜ滅んだのでしょうか。一つの説として、食べつくすだけの
恐竜に対して、植物が耐性を身に付けたのではないかと。目の前の植物を前にして、食
べたくても食べられない、毒に苦しむトリケラトプスの悲痛な鳴き声が・・・。巨大隕
石の衝突がトドメを刺しました。
話が佳境に入ると、思いがけない展開に、身を乗り出して聞き込む親御さんの姿が印象的でした。(佐藤)
【恐竜クラフト編】
恐るべし子どもたち!! やはり子どもたちの創造力にはかないません。へぇー、この材料をこんなふうに使うんだ!? と感心することしきり。大人の作品は恐竜の写真にどうしても似てくるのですが、子どもたちの作品は、デフォルメされ、よりダイナミックに、よりユーモラスに仕上がります。そんな、インストラクター仲間内での感想でした。親子や、祖父母孫の組み合わせが多く、みんなが自分の恐竜を作るのに一生懸命。きっとこの90分間は、親も子もおじいちゃんもおばあちゃんも頭の中は恐竜で一杯だったのだと思います。作品が完成し頭の中から恐竜を追い出して、みなさんすっきり、ちょっぴり自慢な表情が印象的でした。みんなが同じく恐竜を作るのがよかったのでしょう。お互いの作品を見合ったりしてとてもよい雰囲気で、超人気のクラフトでした。(内田)
朝日放送「みんなの木」収録~堺市立三宝小学校~
■日時:2010年3月2日(火) 5・6時間目13:50~15:20■場所:堺市立三宝小学校
■天候:曇り
■参加人数:FIOスタッフ9名、5年生132名、朝日放送スタッフ
■内容:朝日放送が行っている「ガラスの地球を救え~みんなの木~」の収録の中で、「みどりの授業」&「植樹」を担当します。今回は、校庭にある樹木を題材にクイズ形式で4問出題し、4名のグループごとに樹木や生態について考えてもらいました。植樹は「クヌギ」をみんなが見守る中、クラスの代表が植えつけました。
■報告感想:132名とFIOスタッフ9名で盛り上がりました。準備万端で迎えた当日は、例のごとくFIOの熱気で前日の雨を吹き飛ばし、首尾よく校庭での収録となりました。クイズ形式で3択の問題でしたが平均して選択され、子どもたちはパネルを持ったスタッフの所に押し寄せてくる勢いでした。間違えた子どもたちはこれからもずーっと記憶に残ることでしょう。同じくクヌギも記念樹として、これからの歴史を刻んでいくことでしょう。最後にクイズの進行が抜群だったこと、手書きのパネルの絵が子どもたちから喝采をあびたことを申し添えます。
【第4回 大阪会FIOフィールド研修会 in 大阪城公園】
■日時:2010年1月31日(日)10:00~16:00■場所:大阪城公園
■天候:曇りのち雨
■参加人数:30名
■内容:「巨石も香る大坂城に森林の歴史を感じとる!」 ~大阪国際女子マラソン観戦付き~
大坂城に森林の歴史を感じとる! どうやって? ほんまかいな!
1)大阪城公園の植物的自然を眺めてみよう
2)大坂城の石垣は、どのようにして築かれたか
3)大坂城天守閣「大阪夏の陣屏風」は、何を語るか
4)大阪歴史博物館の地下にある難波宮の遺構を探る
■報告感想:今にも泣き出しそうな曇り空の下、先ずは大阪城公園内の樹木観察散策です。天端のエノキや法面のアラカシ、アカマツとクロマツ、誇るロウバイ、咲き始めた紅梅白梅、タブノキにヒメユズリハなどを観察しました。城壁を構成する巨大石垣の前でたたずみ、撫で触り、感嘆し、天守閣ではその謎解きをはじめ、豊臣大阪城と徳川大阪城の違いや、大阪夏の陣屏風の語るところに溜息が出るばかりです。締めくくりは大阪歴史博物館の地下にある難波宮の遺構、学芸員さんの魅力あるお話に引き込まれて、参加者一同「にわか考古学者」となりました。大阪都心部の中心でありながら、植物的自然と人間の営みに、安らぎ、慰み、圧倒された満足の一日でした。(中瀬)。